2022年参院選 服部良一総がかり選対の報告
2022年8月2日

8月2日に「服部良一総がかり選対」の総括会議を服部良一さんと選対役員全員参加のもとに開催し、選挙運動の成果と反省点を確認し今後の方向を議論しました。
 以下、概要を報告し、この場を借りて皆様のご支援に心から感謝申し上げます。

選対委員長 佐高信(共同テーブル)  
副委員長 杉浦ひとみ(共同テーブル 弁護士)
同 渡辺学(全国一般東京南部書記長)
同 青山秀雄(社民党都連合代表)
同 みずま雪絵(新社会党都本部書記長・葛飾区議)
事務局長 白石孝(共同テーブル)
事務局次長 山口菊子(社民党都連副代表)
同 石河康国(共同テーブル)  
     
Ⅰ.選挙運動の経過

1.前段 東京選挙区共同候補擁立の努力と服部良一さんの決断


昨年末から、社民党都連、新社会党都本部、緑の党グリーンズジャパン、共同テーブル関係者で、東京選挙区に無所属共同候補を擁立する努力を開始しました。条件は、①比例は社民党比例と連動する、②当選後は社民党と会派をくむ、こととしました。
以降、各方面の協力も得ながら粘り強く擁立の努力をしましたが、5月2日をもって断念しました。そいう中で、社民党全国連合幹事長の服部良一さんが立候補を決断されました。
服部さんは社民党公認での立候補となりましたが、社民党の全国比例名簿に新社会党のおかざき彩子さんが搭載され、社民党の政党要件維持のためにも共同でたたかうという流れもあり、東京選挙区の無所属共同候補擁立に向け努力してきた面々は、服部良一候補の運動母体に継承されました。選対の名称も、社民党都連合を軸としつつ「服部良一総がかり選対」として共同で発足させることとしました。

2.服部良一候補擁立以降


1 「東京アピール」の発出


 5月16日 東京の服部良一支援者の集会を開催。都庁記者クラブで記者会見
 同時に、各界の著名人による「東京アピール」(佐高信起草)を発し、「共同テーブル」関係者はじめ各界に賛同呼びかけを始めました。結果、7月12日までに賛同人174名、賛同アピールは79名から寄せられました(「服部良一・がんこに平和」のHPに掲載中)。


2. 5月21日 服部良一総がかり選対発足(中野サンプラザ)。40人が参加し、選対体制を下記のように確認しました。
 選対委員長 佐高信(共同テーブル)  
副委員長 杉浦ひとみ(共同テーブル 弁護士)、渡辺学(全国一般東京南部書記長)、青山秀雄 (社民党都連合代表)、みずま雪絵(新社会党都本部書記長・葛飾区議)
事務局長・政策ネット対策兼務 白石孝(共同テーブル)
事務局次長 ブロック対策 石河康国(共同テーブル)  遊説 山口菊子(社民党都連副代表)

全ブロックに共同選対発足し行動にとりくむ
以降下記の都内全ブロックで総がかり的なブロック選対が組織されました。
東部(江戸川・足立・葛飾・荒川・墨田・江東・台東)
西部(新宿・渋谷・世田谷・杉並・中野)
南部(大田・品川・目黒・港)
北部(練馬・豊島・板橋・北・文京)
中部(千代田・中央)
三多摩
ブロック選対には社民党、新社会党をはじめ、緑の党市議、全労協傘下労組、無所属自治体議員、ZENKO、ℐ女性会議、市民運動活動家など多くの団体・個人が参加しました。


3.ブロック選対で取り組んだ主な活動は、①公営掲示板貼付、②街頭宣伝とビラポスティング、③服部さんを囲む集会です。
    •    公営掲示板は約14,000か所ありますが、約11,000か所は力を合わせて貼り切りました(手が回らない地域は外部に委託)。
    •    街頭宣伝は、公示前の6月5日から日曜日を統一行動日としブロックが協力して服部さんの都内遊説を実施しました。6.19実施の杉並区長選には2回応援にうかがいました。
6月22日の公示以降は各ブロックが二日間(三多摩は7日間)を受け持ち、ブロック内駅頭や団地に終日宣伝とポスティングをおこないました。応援弁士には佐高信、杉浦ひとみ、古今亭菊千代、浅倉むつ子各氏、社民党・新社会党はもとより緑の党や無所属の自治体議員、岡﨑宏美新社会党委員長、保坂展人世田谷区長、岸本聡子杉並区長、渡辺洋全労協議長、地元市民運動家がかけつけてくれました。
 候補者カーには2~3台の随行車がつき、各ブロックとも1日10人~30人ほどが街頭や団地へのポスティングを行いました。
   7月3日には「下町デー」として選対副委員長のみずま雪絵・渡辺学両氏が大勢の若者を
  あつめ、古今亭菊千代さんとにぎやかに宣伝。
7月8日には沖縄から応援に駆け付けた金城実さんを迎え蒲田駅頭で三線と歌も交え沖縄  
トーク。大勢の聴衆が聴き入りました。
なお、服部さんはNHKの日曜討論に2回出席してとても好評でした(ただし候補者である
ことを示すわけにはいきません)。
    •    集会は、6月11日に「服部良一キック・オフ集会」を文京区民センター2Aで開催。約160人参加。応援に大椿ゆう子(社民比例予定候補)、岡﨑宏美(新社会党委員長)、山城博治(沖縄平和運動センター前議長)、中岡基明(全労協事務局長)、芦沢礼子(福島みずほ応援団)、竹信三恵子(ジャーナリスト)らが参加。
   服部さんを囲む集会は、練馬、杉並で福島さんとコラボ集会、北(2回)と江東で地区集 
 会。また全ブロックで1回づつブロック集会を開催しました。


4.全都共通の取り組み
    •    公選ハガキ 立候補の遅れから公選ハガキも公示日まで3週間を切る時点で各方面に依頼するほかありませんでした。それでも自治体議員や東京水道労組、建設ユニオン、全国一般東京南部など労組の努力を頂き約24000通を差し出しました。また大勢の方から数枚づつご協力いただけました。
    •    服部個人の法定チラシ(証紙が必要)は20万枚。内10万枚は街宣に合わせポスティング。10万枚は新聞折り込みで消化しました。20万枚に証紙を貼るのは大仕事でしたが、ボランティアが延べにして百数十人参加いただけました。

 推薦いただいた団体
部落解放同盟東京都連合、新社会党、
全水道東京水道労働組合、全国一般東京南部労組、全国一般東京東部労組、首都圏建設産業ユニオン、国鉄労働組合労東京地本、同大宮地区本部、同八王子地区本部、同新幹線地方本部、同東京支部、鉄道退職者会東京地方連合会、同八王子連絡会、
全日本建設運輸連帯労組、新産別運転労組東京地方連合会、ユニオンネットお互いさま

3.政策、HPおよびSNS関係


    •    政策について
 政策に関しては 服部良一幹事長の「5つのビジョン」に、佐高信選対委員長起草の「いのちの安全保障」とした「参議院東京アピール」の二本立てとしました。
 立候補決意から公示までの期間が極めて短く、政策を十分に議論し、煮詰めることは出来なかったことは反省材料ではあるが、やむを得ませんでした。
なお、「東京アピール」には短時間で、賛同175人、メッセージ78人が寄せられました(本HP参照)
    •    HPおよびSNS
 ホームページは、松原明さんのご協力を得て立ち上げた。
 しかし、開設から日が経っていなかったため、「服部良一」「社民党東京服部」などの検索キーワードが上位でヒットせず、検索に苦労したことで、拡散に限界があった。現実には遊説やポスター貼付など「従来型選挙」をやるだけでも精一杯でした。
ネット選挙への認識の希薄さは反省材料です。選挙現場での臨場感や候補者の人となりを拡散するための、ツイートなどのスタッフが皆無に近く、服部さんの家族に全面的に依存しました。

「共同テーブル」の援助
共同テーブルは4.13に参院選に向けての討論集会を開催。中野晃一さん、佐高信さん、纐纈厚さん、竹信三恵子さん、山城博治さん、予定候補として、福島みずほ、大椿ゆう子、おかざき彩子、村田俊一が参加。ウクライナ戦争を機にあおられる軍備強化路線に明確に反対の論拠を明らかにしました。また6.7にも同趣旨のシンポを開催し、服部候補も参加し論点を深めました。
立憲野党も安保・外交政策で混迷するなかで、これらは、服部選挙での訴えに力となりました。

Ⅱ 結果

    •    開票結果は以下のようになりました
服部良一 59,365(0.9%) 参考2019参院選 朝倉玲子86,355
社民党、東京の比例得票 180,061(2.86%) 
参考 21年総選挙社民党ブロック比例92,995(1.44%) 2019参院選103,758(1.8%)
 服部さんの得票自体はふるいませんでした。総がかり選対の発足が5月21日で公示の一月前だったため、事前ポスターは不可能、公選ハガキやリーフレットなど知名度を高める必須アイテムが遅れたことなど、知名度浸透の時間が全くありませんでした。
 また東京選挙区は立憲野党の有力候補2人が維新候補と激しく競り合っていたと報じられたことも大きく作用したと思います。

② 比例票と得票率ともにほぼ倍増
 しかし東京の社民党の比例得票は、服部候補の4倍弱。得票数、得票率とも19年参院選、21年総選挙の約倍を実現しました。全国的にもずば抜けた成績です。社民党幹事長の服部さんが立候補して本気度を示し、広範な人々が応援にかけつけともに社民党の灯を消すなと訴え、全都的に密度の濃い行動を展開した成果です。
 社民党は全国的にも比例1,258,501(2.38%)を獲得し福島党首の当選と政党要件を維持しました。やはり21年総選挙1,018,588(1.77%)、19年参院選1,046,011(2.09%)と比べても前進しました。東京における服部良一総がかり選対の成果は、全国比例票押上げにも大きく寄与しました。
なお、東京選挙区における他党比例得票と率は以下のようになっています。軍備拡大が当選のような猛烈な右傾化の中で、立憲野党が苦戦を強いられたなかでも、社民党はよくふみとどまったといえます。
立憲民主党 794,121(12.6%) 21年総選挙 1,293,281(20.6%) 19年参院1,020,185(17.7%)
共産党 589,421(9.3%) 21年総選挙670,340(10.4%) 19年参院651,338(11.30%)
れいわ 398,459(6.3%) 21年総選挙360,387(5.59%) 19年参院458,151(7.95%)
 
Ⅲ.これから

総括会議でフリーに意見交換しました。
とても成果の大きい選挙であった点では一致しましたが、同時にまだまだ「極少数派」であり、これからどう広げていくかが課題という点でも一致しています。各ブロック・行政区ごとにかつてない共同が生まれたのですから、これをどう継承し発展させていくかです。
 政策的にも、反戦・平和を正面に掲げ一定の支持を固めた成果を、さらに「反戦・平和」と「生活・労働・経済」を結びつけ、一回り広い有権者にどう伝えていくか。若者とどう共通の言葉でつながるか。
 こうした課題を具体化する場として当面最大の課題は来春4月の自治体選挙です。 各党の公認候補を多く擁立することだけでなく、相互に推薦しあったり、力をあわせ無所属共同候補を擁立することはできないか。政策的にも、自治体における公的な機能の復権・強化など検討できないか、等々。
 そうした意味でも「共同テーブル」の活動に期待するところ大です。